利害の一致しない相手と生産的な対話を行うテクニックを紹介する『クルーシャル・カンバセーション』『クルーシャル・アカウンタビリティ』というシリーズがとても良かったので自分の早見表の意味でもまとめておく。日本語での解説記事があまりないので、少しは意味のある内容になっているのでは。
両書で重複する内容も多いので、前者をベースに自分なりに2つをまとめてしまっている。また本まとめでは省いたが原著では事例豊富に理解しやすく書かれているのでぜひ読んでいただきたい。
**クルーシャル・カンバセーション(Crucial Conversation、緊迫した会話)**とは、以下の3つに合致するような場面のこと。
こういった状況の中で一方的ではなく、自分と相手の意見・主張を共有し、両者が納得できるような結論を導き出す(出そうとする)ことを本書では**対話(ダイアローグ)**と呼んでいる。
相手を論破するのではなく、自分が本当に欲しいものに集中する。
「あいつがXXXと言いやがった」「あいつは私のことをXXXだと思っている」というように相手のことから始めるのではなく(後述するようにそれは間違っている可能性も大きい)、自分が何を得たいのかから始める。
不適切な行動を目にして最悪のストーリーを組み立て、アドレナリンが放出された結果、脳の活動が低下する。その結果、人を虐げたりばかなまねをしたりしても、それが相手にとって必要だったとか、そうされて当然の相手だったと言ってはならない。このような台詞は、見境がなくなっているときには筋が通っているように聞こえるかもしれない。また、自分の攻撃的な行動に疑問を抱いたときには、一種のなぐさめになるかもしれない。しかし現実には、家庭でも職場でもスタジアムでも、虐待が許される場などありえない。
『クルーシャル・アカウンタビリティ』p.77
人が自己防衛に陥っているときにとる行動パターンは大きく2つに分けられる。
「対話(ダイアローグ)」は自分だけが話すだけでは成立せず、相手に本当の思いを共有してもらうことが必要。そのためには相手を安心させ、対話する場に連れてこなければならない。(心理的安全性)